文 ハル · 更新日 · 2026-09-07
ドット抜けの保証基準と対処 — 交換してもらえるのか
新しいモニターの電源を入れ、白い画面を開いた瞬間、黒い点がひとつ。この点ひとつで交換してもらえるのでしょうか。答えは「点の種類と数、そしてメーカーの規定次第」です。ドット抜けは感情ではなく規定の問題なので、基準を知ってから動くと結果が変わります。
この記事では、点の種類の見分け方、メーカー保証の一般的な構造、購入直後にやっておくべき検査ルーティン、基準に届かなかったときに試せることまでを順に扱います。
1. まず点の正体を見分ける — 常時点灯・常時消灯・ホコリ
最初に単色画面で点の種類を判別します。ドット抜けテストを開き、赤・緑・青・白・黒を順に全画面表示してください。画面に出うるものは4種類で、「いつ見えるか」で見分けます。
- 黒い画面で見える明るい点 — 常時点灯ドット。いちばん目立つ種類です。
- 白い画面で見える黒い点 — 常時消灯(死んだ)ドット。ソフトウェアでは戻せません。
- 特定の色でだけおかしい点 — サブピクセルが固まったスタックピクセル。復活を試す価値があるのはこれだけです。
- どの色でも同じ位置にぼんやり見える点 — たいていはパネル表面のホコリで、ドットではありません。
結論を出す前に、柔らかい乾いた布で軽く拭いてください。ホコリだったという例は気恥ずかしいほど多く、しかも確認は無料です。
この分類は好奇心のためではありません。規定は明点と暗点を別扱いしますし、サポートに連絡するときに使う言葉もこの手順から決まります。
2. 保証規定の共通構造 — 「何個から」が書いてある
メーカーのドット抜け規定は、数値こそ違えど構造は似ています。推測せず、自分のモデルの保証書やサポートページを開いて、次の4点を読み取ってください。
- 明点(常時点灯)が何個からパネル不良と認められるか。
- 暗点(常時消灯)が何個からか。たいてい明点とは別の数字です。
- 数え方に条件が付いているか。視距離を定めた規定が複数あり、周囲の明るさまで書いている社もあります。
- 期間の条件。到着時に見つけた場合と、後から出た場合で扱いが違うことがあります。
目立ちやすい明点のほうが少ない数で認められる傾向があり、上位ラインでは無輝点保証を売りにしている製品もあります。たとえば EIZO の無輝点保証は、対象機種にかぎってですが、購入から6か月以内なら輝点が1点でもあれば無償で液晶パネルを交換すると定めています。ただし暗点(黒点)は保証の対象外です — 明点と暗点を分けて数える理由が、この一例にはっきり出ています(2026年9月7日確認)。
もうひとつ忘れがちな窓口が販売店です。独自の初期不良交換は期間こそ短いものの、何を不良と見なすかはメーカー基準よりずっと寛容なことがあります。両方を確認してください。二つは独立していて、どちらか一方が通れば十分です。
3. 購入直後の検査ルーティン — 期限のある権利
交換の条件はほとんどの場合、期間とセットです。販売店の初期不良受付は短ければ数日なので、モニター・ノートPC・テレビを買ったら開封当日の単色チェックが最も安い保険になります。
- 柔らかい乾いた布で画面を拭く。ホコリが不良のふりをできないようにします。
- 5色の単色を全画面で、1色ずつ表示する。
- 画面から30cmほどの距離で、中央を凝視せず区画を分けて見ていく。
- 見つけたら写真を撮る。単色の全景1枚と、点が写る近接1枚。
- 購入記録と写真を添えて、まず販売店に連絡する。
新品を検査台に載せているうちに、同じ機会でモニターテストも回して輝度ムラや光漏れを見ておくと得です。表示が本当に定格のリフレッシュレートで動いているかの確認もついでに。速いゲームでは仕様表の印象より効く数字で、その話はポーリングレートは体感できるのかで扱っています。
交渉の大半は「早い」と「記録がある」で決まります。初日に写真つきで報告された点は不良ですが、4か月後に報告された同じ点は相談になります。
4. スタックピクセルなら — 復活を一度は試す価値
完全に消えたドットはソフトウェアでは戻せませんが、特定の色で固まったスタックピクセルはまれに復活します。よく使われるのは色が高速で切り替わるパターンを表示する方法で、正直な試行は1回で十分です。
- 該当箇所に切り替えパターンを数十分表示する。
- 単色に戻して、点の挙動が変わったかを確認する。
- 変化がなければやめる。それ以上続けても効果は薄いです。
切り替え表示そのものはパネルを傷めないので、安全な実験と言えます。いっぽう布越しに押す方法は本当に危険です。損傷が広がることがありますし、圧迫の跡が残れば、サポートに断る理由を自分から差し出すことになります。
保証が残っている機器では、何も押さないでください。交換交渉が先で、圧迫の裏技は「もう誰も交換してくれないパネル」のために取っておくものです。
5. 基準に届かないときにできること
規定は2個からなのに手元は1個 — そんな場合でも打てる手は残っています。
- 販売店の初期不良期間内に相談する。メーカー基準とは別に、店の裁量で交換されることがあります。
- 位置を具体的に伝える。中央付近の明点は、隅の暗点より強い主張になります。
- 悪化した場合の扱いを聞き、最初に気づいた日付を記録しておく。
押し切ろうとせず、丁寧かつ具体的に。読んでいる担当者は書かれた規定を当てはめているだけで、こちらが足せるのは「自分のケースはその規定の厳しい側にある」という材料だけです。
どうしてもだめなら、点ひとつは数日の通常使用で意外と気にならなくなるのも事実です。そして次の購入では、無輝点保証を掲げる製品や販売店を選ぶ — これが根本的な対策で、腹立ちまぎれに買い足す2台目より安く済みます。
よくある質問
ドット抜け1個でも必ず交換されますか?
いいえ。メーカーごとに種類別の認定数が決まっていて、1個で交換されるのは無輝点保証の製品や販売店の裁量によることが多いです。まず自分のモデルの基準を確認するのが順序です。
使っているうちに出たドット抜けも保証されますか?
パネル保証の期間内で、種類・数の基準を満たしていれば対象になるのが一般的です。ただし外部からの衝撃の痕があると対象外になり得ます。見つけたらすぐ写真を残して問い合わせましょう。
修復用のフラッシュ動画を長時間流しても大丈夫ですか?
色が高速で切り替わる映像自体はパネルに害はありません。数十分から数時間を目安に試し、変化がなければそれ以上は意味が薄いです。圧迫する方法は損傷のリスクがあるのでおすすめしません。
ホコリかドット抜けか見分けがつきません。
単色を切り替えて見てください。ホコリはどの色でも同じ位置にぼんやり見え、画面を消して斜めから見てもそこにあります。ドット不良は特定の色でくっきり現れたり消えたりします。