美術クイズ 50問|図版なしで解く美術の常識
5ラウンド · 50問
画材と技法
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フレスコが、壁に油絵具で描くのと決定的に違うのはどこですか。
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- 画材と技法
- 様式は何を破ったのか
- 作品と、つくった人
- 絵の見方
- 絵はどうやって生き延びるか
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全問題・解答・解説
画材と技法
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フレスコが、壁に油絵具で描くのと決定的に違うのはどこですか。
解答 顔料を生乾きの漆喰に入れ、乾くとともに壁そのものの一部になります
本当のフレスコでは顔料が「濡れた漆喰の中へ」入り、乾きながら壁の一部になります。そのため締め切りが決まります。その日に仕上げられるぶんしか漆喰を塗れず、その一日分の区画がいまも薄い継ぎ目として見えます。
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伝統的なテンペラは、顔料を何で練りますか。
解答 水でのばした卵黄
水で薄めた卵黄です。数分で乾くので色を濡れたまま混ぜられず、テンペラの画家は「細い平行線」を重ねて調子をつくります。近くで見ると画面がハッチングのように見えるのはそのためです。
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油絵具は、画家にできることをどう変えましたか。
解答 乾きが遅いので画面の上で色をぼかせ、透明な層を重ねて深さを作れます
油はゆっくり乾きます。だから画面の上で色を混ぜ、何日もかけて直せます。この一つの性質が柔らかい移り変わりと深い影と「描き直し」を可能にし、ヨーロッパでテンペラを押しのけました。
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油彩の「グレーズ(透層)」とは何ですか。
解答 乾いた絵具の上に薄く透明な層を重ね、下の色を透かせる塗り方です
乾いた絵具の上に重ねる薄く「透明な」層です。光がその層を通って下で反射するので、混ぜてつくった色には出せない輝きが生まれます。昔の巨匠の肌の色をまねしにくいのは、この効果のためです。
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「インパスト(厚塗り)」とはどういうものですか。
解答 筆やナイフの跡が残るほど絵具を厚く置いた状態です
筆やナイフの跡が残るほど「厚く」置いた絵具です。本物の光を受け本物の影をつくるので、前を通り過ぎると見え方が変わります。絵が「その写真」にはできないことをしている場所です。
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エッチングで、実際に線をつくっているのは何ですか。
解答 防蝕膜を掻き取った部分を酸が食い込んで、金属板に溝ができます
酸が金属板に溝を「食い込ませ」ます。画家は保護膜を引っかいて通るだけです。エッチングの線があれほど自由なのはそのためで、手は金属を削るのではなく「柔らかい膜」を通っているのです。
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では、リトグラフはどんな原理でしょうか。
解答 脂と水が反発するので、描いたところにだけインクが乗ります
油と水が反発する性質です。脂っこい材料で描き、石を濡らすと、インクは「脂のあるところだけ」に付きます。何も彫らないので、石版画は絵をそのまま写し取れます。
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水彩が「取り返しがきかない」と言われるのはなぜですか。
解答 紙の白が透けて見える画材なので、濃く置いた部分を白に戻すのがほぼ不可能だからです
白は絵具ではなく「紙」です。いったん暗くすると、きれいに戻すのは難しいので、水彩は「逆から」計画します。何を置くかより先に「何を残すか」を決めるのです。
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「ジェッソ(地塗り)」は何のためのものですか。
解答 板や画布を平滑にし、目止めして、絵具が乗る状態に整えるためです
ジェッソは下地をなめらかにし、ほどよく吸うように整えます。省くと支持体が「媒材を不均一に吸って」色がところどころ沈みます。
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ブロンズ像は「ロストワックス(脱蝋)」でつくられます。失われるのは何ですか。
解答 蝋の原型。溶かし出した空隙に溶けたブロンズが入ります
失われるのは「蝋の原型」です。溶かして流し出すと、その空所を青銅が満たします。鋳るたびに原型が消えるので、ブロンズはたいてい再利用できる原型から複数を取ります。
様式は何を破ったのか
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印象派は、実際のところ何を変えたのでしょうか。
解答 移ろう光を、筆跡の見える粗い筆致で描き、官展の外で自分たちの展覧会を開きました
物の固定した色ではなく「移ろう光の効果」を描きました。ちょうど金属チューブ入りの絵具が現れて戸外での制作が実用的になったところで、この運動はその「道具」の結果でもあります。
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「印象派」という呼び名はどこから来ましたか。
解答 批評家がモネの絵の題から借りたもので、ほめ言葉ではありませんでした
ある批評家がモネの絵の題から取って「あざけり」に使いました。画家たちがその語を受け入れたのですが、よくある筋道です。いくつもの美術運動の名前が「悪口」から始まっています。
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キュビスムの中心にある考えは何ですか。
解答 ひとつの対象を複数の視点から同時に捉え、面に分けて示すことです
一つの対象を「複数の視点から」見たものを一つの画面に押し込むことです。遠近法が四百年ものあいだ前提にしてきた「固定した一つの目」を捨てたので、当時は破壊行為のように見えました。
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シュルレアリスムは、何を拠りどころにしましたか。
解答 夢と無意識。論理ではなく連想でイメージを並べます
夢と無意識で、宣言文まで伴っていました。設計ではなく「連想」で像をつなぐのが狙いなので、シュルレアリスムの作品があれほど「精密に描かれていながらありえない」のです。
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バロック絵画が、その前のルネサンス絵画と違うのはどこですか。
解答 劇的であること — 強い斜めの構図、舞台のような光、動きの途中で止まった人物
「劇的であること」です。強い斜め、舞台のような光、動きの途中で捕らえられた人物。ルネサンスの構図が均衡と静止へ向かうのに対し、バロックは「何かが起きた一秒後」に見る者が到着することを望みます。
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抽象表現主義の新しさはどこにありましたか。
解答 非常に大きな画面で、描く行為そのものが主題になったことです
「描く行為そのもの」が主題の一部になった、非常に大きな画面です。大きさが本質なので、小さく複製するとこの作品が前提にしていた「見る人の体との関係」がまるごと失われます。
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ポップ・アートは、素材をどこから取ってきましたか。
解答 広告・商品パッケージ・漫画・有名人の写真といった、日常の商業的なイメージです
広告・包装・漫画・有名人です。挑発は技法ではなく「題材の選択」でした。人々が一日じゅう実際に見ている図像こそ画廊に入る資格がある、と主張したのです。
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浮世絵は十九世紀のヨーロッパ絵画に影響を与えました。何が取り入れられましたか。
解答 平坦な色面、大胆な断ち落とし、西洋の遠近法によらない画面構成です
平らな色面、大胆な切り取り、見慣れない視点です。日本の版画はヨーロッパへ「包み紙」としても渡っており、その影響は題材をまねるずっと前に「構図」に現れています。
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静物画とは何を描くもので、何がねらいですか。
解答 動かないものを並べて描くもので、並べ方そのものに意味を持たせることが多くあります
並べられた生命のないものです。何も「起きない」という理由で長く低く見られてきましたが、まさにその点が光と質感と構図を純粋に見せる場にしています。
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「トリプティク(三連画)」とは何ですか。
解答 三面から成る作品で、たいてい両脇が中央に折りたためるようになっています
三枚組の作品で、たいてい外側の二枚が中央を覆うよう蝶番でつながっています。祭壇画から来た形式で、閉じた外側に一つの絵があり、「祝日に開くと」別の絵が現れました。
作品と、つくった人
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葛飾北斎が名を知られるきっかけになったのは何ですか。
解答 富士を主題にした一連の錦絵(木版画)です
木版画で、神奈川沖の波はその一つです。その連作を作ったのは「七十歳ごろ」で、自分の仕事に値打ちが出るのは九十を過ぎてからだろうと書き残しています。
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東洲斎写楽について、はっきりしていることは何ですか。
解答 役者絵を短期間に集中して出したあと、消息が途絶えています
1794年5月からのわずか十か月ほどで百四十点あまりの役者絵を出し、そのあと忽然と姿を消しました。本名も生涯も確かなことが少なく、能役者の斎藤十郎兵衛とする説が有力ですが、いまも定説には至っていません。
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尾形光琳の代表作としてよく挙げられるのはどれですか。
解答 金地に燕子花(かきつばた)を並べた屏風
金地に群青の花と緑の葉だけで描いた『燕子花図屏風』は、『伊勢物語』の一場面を «花だけで» 語っています。橋も人も描かず、見る人が知っている物語に寄りかかる — 琳派の飾りの絵が同時に «文学の絵» でもあることをよく示す一点です。
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モナ・リザはどこにありますか。
解答 パリのルーヴル美術館
パリのルーヴルです。名声のかなりの部分は1911年の「盗難」から来ています。二年ものあいだ行方が分からず、人々は「空いた壁」を見に押し寄せました。
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システィーナ礼拝堂の天井画を描いたのは誰ですか。
解答 ミケランジェロ
ミケランジェロですが、しぶしぶ引き受けたうえ、自分を画家ではなく「彫刻家」と考えていました。そして「寝転がって描いてはいません」。足場の上に立って描いており、寝そべる図は後世の創作です。
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《夜警》を描いたのは誰ですか。
解答 レンブラント
レンブラントです。じつは「夜の絵ではありません」。暗くなったニスがその名を付けました。しかも1715年に小さな壁に合わせて四方を切られたので、左端の人物は「そもそも失われて」います。
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《叫び》という作品について、物として珍しい点は何ですか。
解答 ムンクは一点だけでなく、画材を変えて複数の版をつくっています
ムンクが「別の材料で」いくつもの版を作ったので、唯一の原作がありません。そのうち二点が別々に盗まれ、いずれも取り戻されたため、美術とは無関係の理由でニュースに出続けています。
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《ゲルニカ》は何に対して描かれた作品ですか。
解答 スペイン内戦中の、町への爆撃です
スペイン内戦中の「バスク地方の町への爆撃」です。灰色と黒と白だけで描かれていて、新聞に写真で載って広まった出来事に対して「色を拒んだ」選択です。
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岡本太郎の《太陽の塔》は、もともと何のために建てられましたか。
解答 1970年の大阪万博の会場に、テーマ館の一部として建てられました
1970年の大阪万博で、テーマ館の大屋根を «突き破って» 立てられました。閉幕後は取り壊される予定でしたが残され、内部の「生命の樹」は長く非公開だったあと、2018年から再び公開されています。
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フリーダ・カーロの絵の主題は、何が中心ですか。
解答 自分自身。負った傷や政治、出自を抱えた自画像が中心です
「自分自身」です。バス事故のあと数十年の痛みのなかで自画像を描き続け、その仕事は、寝台にいる時間がとても長く、その上に鏡があった人の「記録」のように読めます。
絵の見方
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線遠近法は、ヨーロッパの画家に何をもたらしましたか。
解答 平らな画面を、奥へ退く空間として読ませるための幾何学的な方法です
平らな面を「奥行きとして読ませる」幾何学の方法です。十五世紀のフィレンツェで整理されて「規則として書かれ」ました。だからこれほど速く広まったのです。感嘆するだけでなく「教える」ことができたからです。
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「消失点」とは何ですか。
解答 現実では平行な線が、画面の中で交わって見える地平線上の一点です
平行線が出会って見える、地平線上の点です。その「高さ」が見る人の立ち位置を告げるので、上げ下げするだけで場面を「見下ろす」か「見上げる」かが変わります。
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「キアロスクーロ(明暗法)」とは何を指しますか。
解答 形を立体的に見せ、雰囲気をつくるための、明と暗の強い対比です
光と闇の「強い対比」です。極端まで押すとテネブリズムになり、人物がほぼ完全な暗がりから浮かび上がります。カラヴァッジョが自分のものにし、ヨーロッパの半分がまねた効果です。
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赤と緑を隣り合わせに置くと、どちらも強く見えるのはなぜですか。
解答 色相環で向かい合う関係にあり、互いを強く見せ合うからです
色相環で「向かい合う」位置にあり、目がその境目で差を誇張するからです。効果は「顔料ではなく見る人の中」にあるので、二色を離して置くと消えてしまいます。
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「ネガティブスペース(余白の形)」とは何ですか。
解答 物と物のあいだや周囲にある空きの形のことで、それ自体を構成できます
物のまわりや物と物のあいだに残る「空白の形」です。それを見る訓練はデッサンの基本ですが、目はどうしても対象に「名前」を付けたがり、正確なのはむしろ隙間のほうだからです。
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作品の大きさは、見る人に何をしますか。
解答 体との関係を決めます — 壁ほどの画面は人を包み、小さな画面は近寄って覗き込ませます
大きさは作品と「自分の体」との関係を決めます。壁ほどの画面は人を包み、小さな板は近くへ来いと言います。複製ではどちらも消えるので、有名な絵を実物で見て驚く人が多いのです。
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人物が中心からずれて置かれ、画面の外を見ています。これは何をしていますか。
解答 緊張をつくり、画面の外にも何かがあることをほのめかしています
「緊張」を生み、画面の「外」に何かがあることをほのめかします。中央に置けば絵は落ち着き、ずらして視線を外へ向ければ構図は「わざと」決着しません。
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「習作」は、完成作とどう違いますか。
解答 部分的な問題を解くために描かれた、下描きや素描です
習作は「準備」です。見せるためではなく、何かを解くために描かれます。いまでは完成作より愛されることもありますが、結論ではなく「決めていく過程」が見えるからです。
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額縁が問題になるのはなぜですか。
解答 作品を壁から切り離し、絵の読まれ方を左右します。しかも作家が選んだものとはかぎりません
額は作品を壁から「切り離し」、どこまで見ればよいかを教えます。同時に「解釈」でもあり、重い金の額と白木の額は同じ絵を別々の世紀に置いてしまいます。
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オリジナルの版画と複製図版は、どこが違いますか。
解答 版画は作家がつくった作品そのもので、複製図版は別の作品を撮った写真です
オリジナル版画は作家が「作品そのもの」として刷ったもので、版がその作品の出発点です。複製画はどれほどよく印刷されていても「別のものを撮った写真」で、この区別が版画市場全体の根拠になっています。
絵はどうやって生き延びるか
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十九世紀まで、ウルトラマリンの青が高価だったのはなぜですか。
解答 遠方で採れるラピスラズリを砕いてつくり、良質なものは金に匹敵する値でした
いまのアフガニスタンで採れる「ラピスラズリ」を砕いて作り、世界を横切って運ばれてきました。重さでは金より高く、契約書に「どこにどれだけ使うか」を書き入れたほどです。
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古い絵が全体に暖かく茶色く見えることがあります。なぜですか。
解答 ニスのほうが黄変して暗くなるからです。下の絵具はそこまで変わっていません
ニス「そのもの」が年月とともに黄ばんで暗くなるので、私たちは琥珀色の膜越しに見ていることになります。だから洗浄は劇的であり、また論争になります。人々が慣れ親しんだ温かい色調が「絵ではなかった」と分かるからです。
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「クラクリュール」とは何ですか。
解答 絵具と下地が古びて動くことで生じる、細かいひび割れの網目です
絵具と支持体が「違う速さで」年を取るためにできる細かなひび割れの網です。その模様は材料と気候に左右されるので、贋作がもっともまねしにくいものの一つでもあります。
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赤外線による撮影は、修復家に何を見せますか。
解答 絵具の下の下描き。制作中に作家が変えた跡も含みます
絵具の「下の下描き」です。赤外線は多くの顔料を通り抜けて炭素の黒に反射するので、のちに塗りつぶされた部分も含めて「画家の最初の計画」が現れます。
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十七世紀の作とされる絵から、二十世紀に工業生産が始まった顔料が見つかりました。何が言えますか。
解答 様式がどう見えようと、その絵具の層はそこまで古くありえません
その「絵具の層」は主張されるほど古くありえません。二十世紀に初めて作られた顔料が十七世紀の絵にあるはずはなく、この種の年代判定が有名な鑑定をいくつも覆してきました。
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紙の作品が、油彩よりずっと暗い照明で展示されるのはなぜですか。
解答 紙とインクの光による傷みは蓄積し、元に戻せないからです
紙とインクの「光による傷みは積み重なり、元に戻せません」。だから紙の作品は限られた期間だけ展示し、何年も暗がりで休ませます。同じ素描をめったに見られないのはそのためです。
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「ペンティメント」とは何を指しますか。
解答 作家が描いたあとに考えを変えた痕跡が、表に見えてきたものです
画家が「変更した跡」が見えることです。年月とともに絵具が薄くなると、腕や頭の以前の位置が浮かび上がってきます。イタリア語で「悔い改め」を意味する語です。
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来歴(プロヴナンス)が重視されるのはなぜですか。
解答 真作であること、そして途中で略奪や盗難を経ていないことを支える根拠になるからです
その作品が「本物であり、正当に所有されている」という主張を支えます。記録の「空白期間」は二重に問題で、鑑定を弱めるだけでなく、戦時の略奪が座っていることの多い場所でもあります。
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美術館が温度と湿度を一定に保つのはなぜですか。
解答 木・画布・絵具は伸縮の仕方が違い、動きを繰り返すと絵具が割れるからです
木もカンヴァスも絵具も湿度で膨らみ縮みますが、「速さが互いに違います」。害を与えるのは「値そのものではなく変化」なので、特定の数値より「一定であること」が大切です。
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現代の修復が「あとで元に戻せる」処置を好むのはなぜですか。
解答 判断も技術も変わるので、次の世代の修復家がこの処置を解けるようにしておくためです
判断も技法も変わるからで、今日の修復が明日の誤りになりうるからです。元に戻せるようにしておくのは「決定を未来に残す」ことであり、博物館が本物の骨を展示台に載せないのと同じ原理です。
美術クイズについて
5ラウンド50問。そして一問も図版を必要としません。制約から始めたのですが、結果としてそこが利点になりました。
美術クイズの多くは図版当てです。この絵は何か、と聞く。それは見分けの記憶、つまり写真をどれだけ覚えているかを測っています。このクイズは代わりに物そのものを聞きます — 絵具は何でできているのか、ある様式はなぜ前の様式と手を切ったのか、その構図は見る人に何をしているのか、そして四百年前の画面がなぜ今も見られる状態にあるのか。
残ってほしいのは最後のラウンドです。絵は、洗われ、ニスをかけ直され、運ばれ、照らされ、議論され、ときに贋作をつくられてきた物で、そのどれもが痕跡を残しています。ほとんどの美術クイズが聞かない領域で、次に展示室に入ったときの見え方がいちばん変わるところです。
入れるものはなく、登録も要らず、読み込む図版もありません。採点はブラウザの中で行われ、答えはタブを閉じると消えます。
進め方
- 順番に答えてください。何でできているか → なぜそう見えるか → 誰がつくったか → どう読むか → どう生き延びたか、と進みます。
- 選択肢は4つとも読んでください。美術の話としては正しいのに、その設問の答えではないものが混ぜてあります。
- よく展覧会へ行く方でも、最後のラウンドがいちばん難しいはずです。保存修復は、作家がいなくなったあとに始まる美術史だからです。
- どのラウンドで落としたかを見てください。第1ラウンドの取りこぼしは用語なのですぐ埋まり、第4ラウンドの取りこぼしは作品の前に立ったときに気づくものを変えます。
- このクイズには図版が一枚も出てきません。画面の質にも、写真を覚えているかどうかにも左右されません。
よくある質問
無料ですか。登録は必要ですか。
美術クイズは無料で、アカウントも要りません。採点はご自身のブラウザの中で行われ、答えはタブを閉じると消えます。あとで比べたい場合は点数を控えておいてください。
美術クイズなのに、なぜ図版がないのですか。
理由は二つあり、面白いのは二つ目です。二十世紀以降の作品の図版は多くが著作権の保護下にあり、こちらで正当に掲げられません。そして図版当ては「写真を見分けられるか」を測るもので、美術を知っていることより狭い問いです。図版を外したことが、結果としてよい設問を強いました。
美術史を学んでいないと難しいですか。
そんなことはありません。第3ラウンドは学んだ人に有利ですが、残る四つは違います。画材・構図・保存はどれも物の話で、額装をしたことがある人や壁を塗り替えたことがある人のほうが、様式を暗記した人より強いことがよくあります。
文学クイズや音楽クイズとはどう違いますか。
主題が違い、共通の設問はありません。あちらは言葉と音の話で、こちらは壁に掛かる物の話です。しかも丸ごと一ラウンドを、その物が数百年のあいだに何を経てきたかに充てています。ほかの二つに対応するものはありません。
作品の価格や収集の話は出てきますか。
出てきません。いくらの価値があるか、何を買うか、市場がどう動くかという話は入れていません。来歴は一度出てきますが、それは真作であることと作品が誰の手を経てきたかの根拠としてで、値段の話ではありません。
何点取れれば上出来ですか。
35点以上なら用語も様式も確かです。45点以上なら、保存修復の回までうまくいったということです。その回は、多くの人が一度も目にしない側面を聞いています。